猫がおやつを食べないのはなぜ?好き嫌い・体調・ストレスなど考えられる理由

猫のおやつの定義は?

ヒトが食べる「おやつ」というと、甘い物だったりお茶の時間につまむ食べ物を思い浮かべると思いますが、猫のおやつに定義はあるのでしょうか?

市販の猫用のほとんどの食べ物はその目的により大きく4種類に分けられます。
(1)総合栄養食、(2)間食、(3)療法食、(4)その他の目的食の4つです。

一般社団法人ペットフード協会によると、下記のように定義されています。

(1)総合栄養食 …ペットフードのうち、犬又は猫に毎日の主要な食事として給与することを目的とし、当該ペットフードと水だけで指定された成長段階における健康を維持できるような栄養素的にバランスのとれた製品であって「ペットフード公正取引協議会」の定める試験の結果を基に定められています。

(2)間食 …おやつやスナック又はご褒美として、限られた量を与えることを意図したペットフードです。一般には、おやつ、スナック、トリーツなど、これらに類似する表現・表示がされています。 
間食は、適切な栄養量を維持するために給与回数及び給与限度量の表示や主食での給与量の調整が必要な旨の表示により注意喚起がされています。

(3)療法食 …獣医師が犬や猫の疾病の治療などを行う際、人間の場合と同様に、栄養学的なサポートが必要な場合があります。 「療法食」とは、治療の内容の合わせてフード中の栄養成分の量や比率が調節され、治療を補助する目的で使用されるフードで、獣医療において獣医師の指導のもとで食事管理に使用されることを意図したものをいいます。

(4)その他の目的食 …「総合栄養食」「療法食」及び「間食」のいずれにも該当せず、特定の栄養の調整又はカロリーの補給、あるいは嗜好性増進などの目的を満たすもの、更にはペットフード又は食材とともに与えられることを意図したものを言います。

猫のおやつは必要?

このようにペットフードの分類上、おやつは「間食」と定義され、主食(総合栄養食)とは利用目的や栄養成分の配合基準などが異なります。
人間の場合、おやつというと嗜好品の扱いで栄養学には必須ではない、健康のためには控えた方がいい食べ物というイメージがありますが、猫にとってのおやつはどんな位置づけなのでしょうか?

基本は主食(総合栄養食)で十分。おやつは「プラスアルファ」の役割

猫の食生活になくてはならないもの、それは総合栄養食です。
総合栄養食は「これと新鮮な水だけ摂っていればペットの健康を維持できる栄養バランスが整ったフード」という定義があります。

AAFCOFEDIAFといったペットフードの栄養基準をクリアした製品のみが総合栄養食を名乗ることができます。



AAFCO…米国飼料検査官協会。アメリカのペットフードの栄養基準やラベル表示のガイドラインを策定する団体。

FEDIAF…欧州ペットフード工業連合会。ヨーロッパにおけるペットフードの安全な製造、栄養基準(犬・猫用)を定めている業界団体

日本で販売される総合栄養食のほとんどは、AAFCOの栄養基準を採用しておりこの基準をクリアした製品が総合栄養食と表示されます。
猫の食餌の基本は、総合栄養食と新鮮なお水です。おやつはそこに補助的に足される存在です。

おやつを喜んで食べてくれるからといって、たくさん与えてしまうと栄養バランスが崩れたりカロリーがオーバーしてしまいます。
おやつの量の目安ですが、1日に必要なカロリー量の10%以下に抑えましょう。

おやつが役立つ場面もある

栄養基準から見ると必須ではないおやつですが、これが間接的に猫の健康維持に役立つ場面もあります。

コミュニケーションとして取り入れたいとき

おやつを遊びと同じようにコミュニケーションの手段として用いることがあります。例えば、爪切りなど苦手なことを頑張った時のご褒美として与えたり、狩猟本能を刺激するための遊びに用いたり、ちょっとしたしつけのトリートとしておやつを使ったり…
まだ人馴れしていない猫には手から直接好物のおやつをあげることでぐっと心の距離が縮まります。

ゼリー状やペースト状など、食感や形状に慣れておきたいとき

猫は変化に敏感な生き物。神経質な猫は初めてのものに物怖じします。初めて出会う食感や匂いの食べ物を警戒するのが普通です。
今まで食べ続けてきた食物だけをこれから死ぬまでずーーーっと食べるわけにはいきません。時には体調不良や治療の一環で、お薬や療法食を食べなくてはならない時が来るかもしれません。お気に入りのフードが廃版になる可能性だってあります。
こういった可能性を考えると、色々な食感や形状のものを食べたことがある、という経験はとても大事です。

 ぜひ仔猫の時から、経験の幅を広げてあげることを意識しておやつを選んであげてほしいです。
実は猫にも”おふくろの味”が存在します。幼少期によく食べていた食物は成猫になった後も好む傾向があります。
シニア猫になってから、体調が悪くなってから新しいものに挑戦するのは猫にとってもハードルが高いです。健康な頃から食べ物の引き出しを増やしてあげましょう。

体調を崩した際に、食べられる選択肢を増やしておきたいとき

前述したように、猫は初めての食感や匂いを警戒するのが普通です。ましてや、体調が悪い時に見知らぬ食べ物が出てきたらどうでしょう?
飼い主は何でも良いから口にして欲しい、水分を摂ってほしい、この薬を飲んで欲しい、と切実に願っていても、これではうまくいく可能性は低くなります。

体調を崩した時には、普段食べているものでさえ口にしないことがあります。またお水を飲む量が減ることもあります。
治療のために薬を処方された後、薬効成分は体内を巡ることで効果を発揮しますが脱水状態の場合、血液の巡りが悪いと薬の効き目にも影響が出ます。

猫がおやつを食べない理由として考えられること

愛猫によろこんでもらいたくて用意したおやつ。もし食べてくれなかったとしたらどんな可能性が考えられるでしょう?

お腹が空いていない・食事量が足りている場合

既に満足している状態でおやつを更に与えようとしている可能性が高いです。
お腹がいっぱいの時におやつを与える必要はありません。

味や食感、においの好みが合っていない場合

好みではなかったり、自分に必要でない食べ物はにおいで判別し拒否することもあります。
猫は肉食動物なので、植物性の食材は好んで食べないケースが多いです。また、食感が好みではないが故に食べないこともあります。

環境の変化やストレスによる影響

環境の変化や何か大きなストレスを感じた時、食欲は減退します。
食餌を摂るという行為は生き物を無防備にするからです。
猫の様子をよく観察し、可能な限りストレスの原因を取り除けるといいでしょう。

猫がおやつを食べないときに注意したい対応

色々手を尽くしては見たものの、おやつを食べてくれない。そんな時に気をつけたいポイントがこちらです。

すぐにおやつを変え続けない

前述したように、猫がそのおやつを今すぐに食べないのには様々な理由が隠れている可能性があります。
猫の目の前に出してすぐに食べなかったとしても「もう二度とこのおやつは出さない」とすぐに見限らず、タイミングや提供方法を変えてみるなどしてみましょう。

また、これは総合栄養食にも言えることなのですが、猫がすぐに口を付けなかった、または完食しなかったからといってすぐに別のものに変えることを繰り返していると猫は「こうすればもっと美味しいものが出てくる」と学習することもあります。

無理に口元に持っていったり、食べさせようとしすぎない

猫が自発的に食べ始めないものを無理に食べさせようとするのはやめましょう。
無理強いされた不快感とその食べ物の匂いが記憶に残ると、「あの食べ物の匂い=嫌な思い出」と結びついてますます足が遠のきます。

ですが、猫の様子をよく観察して、(嫌ってはいないけど興味は持ち始めているな)という程度でしたら、猫の鼻の頭にちょんとおやつを付けて舐めてもらう小技を試してみましょう。

おやつを食べないことだけですぐに問題だと決めつけない

CMなどで美味しそうにおやつを食べる様子と比較し「うちの猫はおやつを食べない。なんで?」と思う飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、食餌全体のカロリーの10%以下に抑えるべきなのがおやつです。
おやつを全く食べなくても栄養面で全く問題はありません。
猫ちゃんの様子をよく観察し、総合栄養食で満足しているようならおやつを無理に与える必要はありません。

ドライフード中心の猫は、水分摂取量にも目を向けたい

ペットフードの利用状況を見てみると、ドライフードが6割以上を占めており中にはドライフードのみを与えているご家庭も多くあります。利便性やコスト面で人気のあるドライフードですが、与え方によっては愛猫の健康維持の妨げになる場合があります。

ドライフード中心の食生活では、水分が不足しやすいことがある

ドライフードに含まれる水分量はその重量のわずか10%です。それに対してウェットフードは80%。ドライフードしか食べない猫の場合、食べ物から取れる水分だけでは圧倒的に足りないので、その分飲み水でたくさん水分補給をしなくてはなりません。

猫が1日に必要とする水分量は体重1kgあたり50mlです。
例えば体重5kgの猫だったら、250mlのお水が必要ということです。
仮にドライフードを1日に70g食べているとしても、食べ物からはたったの7gしか水分が摂れません。残りの240ml超のお水を飲み水だけで摂取するのは猫には難しいでしょう。

ゼリー状やペースト状のおやつで水分補給の補助に

不足しがちな水分を補うために、おやつを使うのもおすすめです。
ペースト状のおやつに水分を足してスープにしたり、猫のためのゼリーでお水を”食べる”ことで水分補給を促しましょう。

こんなときは動物病院に相談を

食べない状態が続く・元気がないなどの変化がある場合

  • おやつだけでなくいつものフードを食べないことが続く
  • お水を飲む量が極端に減った、または増えた
  • なんとなく元気がない…

そんな時は黄色信号です。
猫は体調不良を隠すのがとても上手な生き物です。
また、体調の変化のスピードがとても速く、あっという間に急変することもあります。
すぐにかかりつけの動物病院に相談しましょう。

ブログに戻る


『食べない・飲まない』悩みに寄り添う、ペット栄養管理士が開発したGellettaの公式サイトで、
愛犬愛猫にぴったりの解決策を見つけましょう。